ダイビング・エア持ちの早い人原因と対策

ダイビング・エア持ちの早い人原因と対策

2023年5月5日

ダイビングのお悩みでよく聞く「エア持ち問題」
前回はエア消費の早い人のデメリットやエアの消費量の計算などを書かせていただきました。
今回はそんなエア消費の早い人の原因と対策についてです。
前回の記事はこちら!

ダイビング・エアの消費が早い人
初心者ダイバーのお悩みの1つ『エア持ち問題』。 ダイビング終了間際になると毎回ドキドキしちゃう・・・自分のエアが原因でダイビングが早く終わってしまう・・・ など…
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エア消費の早い人はこれが原因?

エアの消費量が早い人の大きな原因はいくつかあります。

①中性浮力が取れていない!
言うまでもないのですが、ダイビングでかなり大切なスキル「中性浮力」。
そしてこれがエア消費が早い人の最大の原因になっております。
まずは中性浮力がしっかりとれている場合について。
中性浮力がしっかりとれてる状態ですと、フィンキックのみの推進力で水中を泳ぐことが可能です。
しかし、これが中性浮力がしっかりとれていない状態ですと単純に自分のいる水深を維持するのに精いっぱいになり立ち泳ぎのような姿勢になったり、泳ぐときにも下向きにも力が必要です。
そして姿勢が崩れた状態で泳ぐことにより水の抵抗が増し、泳ぐときにより多くの力が必要になります。
簡単に言うと、泳ぐときにしっかりと浮力調整がとれてればウェイトの重さも特に感じませんが、浮力調整が取れてない場合は重りを引きずってダイビングをしているようなものなのでめちゃくちゃ疲れます。

②浅く早い呼吸
ダイビングの呼吸は大きくゆっくり。
浅い呼吸をしてしまうと身体に必要な酸素が供給されず、次第に苦しくなりまた浅い呼吸に・・・
これが原因でエアの消費が早くなります。
大事なのは吸うことよりも吐くこと!

③手足のバタバタ・バランスが悪い
身体を動かすのに必要なのは酸素。
バランスが悪ければ手足をバタバタする。
これが原因でエアの消費が早くなります。
オープンウォーターの講習でも行うようにバランスは手足でとらない!

④緊張とドキドキ
まだ水中世界になれていない場合はやはり水中にいるのはストレスです。
ドキドキすることによってエア消費が早くなってしまいます。
沢山潜ってなるべくリラックスできるように水中世界にだんだん慣れるのが大事です。

⑤身体が大きい
肺活量は体の大きさに大体比例しております。
筋肉量が多いと必然的に消費エアも多くなります。
男性が女性よりもエア消費が早い理由がこれです。

⑥深場大好き
チーム内のメンバーよりも深場に居ればもちろんその分エア消費も早くなります。
オープンウォーターでも学んだように水深が深くなればなるほど水圧により空気が圧縮されるので同じ1回の呼吸でも圧縮された空気を呼吸することになるので同じ呼吸回数でもエアの消費は早くなります。

⑦ぶかぶかのウェットスーツ
ウェットスーツは体にしっかりフィットしているものを着用しないと保温性がなくなり、身体の震えなどによりエアの消費が早くなります。

⑧使用している器材が自分に合っていない
例えばフィン。
フィンに関してはブレードの長さ・材質・硬さ・重さなど様々な違いがあります。
BCDも自分の身体に合っていないとバランスが悪くなったり、セカンドステージもエアの供給量の違いなども原因の一つです。

脱・エア消費の早い人

・中性浮力をしっかりと!
中性浮力をしっかりとることはエア消費に大きく関係します。
その為にまず自分の適性ウェイトを把握しましょう。
ダイビングを始めたころは潜行がうまくできない事を理由にオーバーウェイトで潜りがちですが、適正ウェイトの場合しっかり息を吐けば潜行もスムーズに行えます。
また、ウェイトの配分や位置なども気を付けてみるのも良いかもです。
例えば腰に5キロのウェイトを装着したい場合、左側に2キロ、右側に3キロですと右側に傾いてバランスがとりずらくなってしまいます。
この場合は1.5キロ玉等で調整して左右2.5キロになるようにバランスよく配置するなどが良いです。
また、腰のみではなくウェイトベストなども使用するとバランスがとりやすくなります。

・深くゆっくりとした呼吸・吐く呼吸を意識して!
僕はいつもオープンウォーター講習の一番最初をのときに
「ダイビングで大切なのは呼吸を吐くことか?それとも吸うことか?」
という質問をします。
するとほぼ全員が吸うことの方が大切と答えます。
これがそもそもの間違いの始まりです。
ダイビングは実は空気を吸うことよりも吐くことの方が断然大切なんです。
人間は水中では呼吸ができない生物です。
なので水中に入るときだけではなく、顔を洗うとき、シャワーを浴びるときなど無意識に息を吸ってから行動しています。
洗顔やシャワーならいいのですが、ダイビングに置き換えてみましょう。
肺に空気を含んだ状態で潜って行きます。
そしてその状態で呼吸することによって肺に空気が溜まっている状態でまた空気を肺に送ることになります。
陸上でやってみると分かります。
深呼吸をした後、空気を吐かないでそのままもう一度吸ってみると苦しくなります。
水中でもまったく同じことが起きています。
この状態で泳いだりすると呼吸が苦しくなります。
苦しいと人は余計に空気を吸いたくなります。
しかし肺に古い空気が沢山残っている状態なので全然空気は肺に送られず、次第に速くて浅い呼吸になってきます。
これが呼吸の速く浅い人の特徴です。
なので対策としては呼吸は吸う事よりも吐くことが大事。
尚且つ深くゆっくりとした呼吸を心掛けましょう。

・寒さ対策をする


自分が潜る場所に適した器材を使用します。
そして寒さ対策の一番大事なものはスーツです。
ドライスーツの場合はある程度身体のサイズより大きいものでよいのですが、ウェットスーツの場合はしっかり自分の身体にフィットしているものがオススメです。

・リラックスしてのんびり泳ぐ
手をばたつかせたところで水中では大した推進力にはなりません。
ゆっくり大きくフィンキックをしてバランスをとってみましょう。
手を使わない。これが練習法です。

・たくさん潜る!

ダイビングは潜れば潜るだけ上達します。
なのでたくさん潜ってまずは水中世界に慣れてください。
最初は器材の操作に加え、エアのこと、バランスのこと、フィンキックのことなどなど・・・
覚えることが多いので大変な方もいるかもしれませんが、これは車の運転と同じです。
だんだん意識から外れて無意識にいろんな動作が可能になります。

といった感じでエア消費が早い人は少し実践してみると良いかもしれません!
一概にエア消費が早いといっても様々な理由があります。
まずは自分がどうしてエア消費が早いのかを知ることが一番の改善の近道です!